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福岡女子大学 理事長?学長からの2018年 年頭の挨拶
 福岡女子大学の教職員?学生の皆さん、新年明けましておめでとうございます。
 2017年の業務実績で定めた各自の改善?改革の目標を完遂するという更なる決心をされて皆さんは、新年を迎えられたことと思います。
 福岡女子大学は、近年、独立行政法人 大学改革支援?学位授与機構の認証評価やThe Times Higher Educationの大学ランキング(日本版)で、教育改革を始めた2011年以前には、ほとんど経験をしたことの無い高い外部評価を受け、特に、教育と国際活動分野で着実に進展を遂げています。2023年の100周年のための将来ビジョンも決定し、大学として着実な前進の段階に入っています。その為にも、「教育で一流の大学になる」と掲げた2017年の目標を実現すべく、教職員と学生に一層の努力が求められています。一流大学としての福岡女子大学の将来の姿が、着実に目に見えてくるところまで変革していきましょう。
 福岡女子大学の教育と国際活動での着実な実績に基づく、「教育で一流の大学になる」という目標達成のために努力すべき事に関して、構成員の皆さんは正確に理解しておられると思います。新春を迎えるにあたり、福岡女子大学の正確な情報を皆さんにお伝えし、それに基づいた将来構想がより着実に進展していくよう、理事長?学長として年頭の挨拶でお願いしておきます。
 
 福岡女子大学の<プライド>?<ユニーク>をご存知ですか? 2023年の福岡女子大学100周年とそれ以降の大学の将来構想の内容に基づき、福岡女子大学を「大学らしい」から「一流大学とする」愛校心と心構えが、<プライド>で実行案です。福岡女子大学は「教育と国際活動」分野において、日本の大学の中でトップランナーとして教育?国際変革を行う過程で、多くの<ユニーク>な目標を設定し、実現と実行を構成員に求めています。その一例として、
【国 際】では、
 (1)教育寮としての全寮制生活の実施とEnglish TimeとEnglish Dayの設定と実行。
 (2)学生の約75%が卒業までに海外留学の体験とEnglish Villageへの参加。
【教 育】では、
 (1)大学の教職員の委員会に学生が直接参加し、社会人として大学の運営?経営の訓練を受ける。
 (2)福岡女子大学美術館の設置により、「精神文化の醸成」を行い、2018年度の第3クォーターに「感性」授業をスタート
    する。
 (3)Diversityから教育Innovationを導き出す構成員の意識改善。
 (4)教職員と学生の行動指針としてUIマニュアルを作製し、構成員全員が常時携帯しながら行動指針を実行。
 (5)海外高等学校との高大連携(ベトナム国家大学付属ハノイ外国語学校)の実施と留学生の受入れ。
 (6)2018年度に「クォーター制」を一斉スタート。
【施 設】では、
 (1)2018年度までにキャンパスの全面整備完了と地域住民への大学開放。
 (2)2018年度よりキャンパス全面禁煙を実施。
【100周年】では、
 (1)「女性リーダーシップセンター」と「国際フードスタディーセンター」の設立。
 (2)文理統合教育の実施と教職協働の促進。
 (3)女子大オーケストラの結成。
 
 上記が福岡女子大学<プライド>?<ユニーク>です。福岡女子大学<ユニーク>は、国内の他大学で未だに行われていない事項がほとんどです。2017年度に特記すべきことの一つとして、世界の大学のランキング報告で信頼のおけるThe Times Higher Educationの大学ランキング(日本版)で、福岡女子大学が顔を出したことが挙げられます。日本には、国(86大学)公(91大学)私立大学の大学が約600校あり、合計約800校が存在しています(2018年1月1日現在)。The Times Higher Educationの2017年度の大学ランキングは、「教育と国際性」が主な評価内容であり、福岡女子大学は全国で48位、福岡県内の大学では3位、女子大学では2位と、福岡女子大学創立以来の大躍進を遂げました。大学ランキングを含めて多くの大学評価の事項で、大学の質という順位の維持に多大なる努力が必要です。そして大学ランキングの順位向上?維持は、大学変革?改革という多大なエネルギーを費やします。大学ランキングは入学学生の質や就職に対する社会の評価、さらに大学の外部資金の集中度に影響を与えます。教員は質の高い授業の実行や質の高い学生指導、さらに質の高い研究成果の執筆による外部資金の調達により、福岡女子大学の質の向上に一層の努力をしてください。現在、残念ながら企業や行政を含む実社会では、福岡女子大学の最近の顕著な変化?進展について殆ど知られていません。教職員?学生は福岡女子大学の<プライド>?<ユニーク>を使って、福岡女子大学の現状の情報発信に努力してください。大学の良循環のサイクルが、福岡女子大学の質と評価を高め、大学を取り巻く教育?研究の循環が良くなっていきます。もう一度構成員にお伝えしておきます。大学ランキングの向上には、構成員の多大な努力が不可欠ですが、順位や評価の低下は「あっという間」に起きます。
 
 「教育で一流の大学になろう」という2017、2018年の大学スローガンの実現のために、構成員の皆さんにお願いがあります。大学の教育分野での改善?改革は構成員一人ひとりの努力が不可欠です。大学の運営方針には、個人的に賛成でなくとも大学の組織の一員として大学に協力すべきことと責任は沢山あります。福岡女子大学の質の改善に伴う評価の向上は、大学の教育?研究?運営の評価と直結しています。構成員は、教育?研究の環境整備と向上に大いなる恩恵を受けていることを忘れないで下さい。構成員としては大学の前進と向上に向けて不屈の努力を行い、2018年度は以下のことを実行して下さい。
(1)授業のスタート前に、教える側(教員)が何を教え、学ぶ側(学生)は何を学ぶべきか、両者が理解した後に授業を
    スタートして欲しい。
(2)教育?研究に対する構成員の<ユニーク>な提案や、教育?研究以外の分野でも教職員?学生のユニークな提案を自発
    的に行い、良い点は実行して下さい。
(3)2018年秋より開始する「感性」授業の入口は、「躾、他人へのあたたかな思いやりの心の維持?創造である」ことを、
    福岡女子大学の全構成員は理解して欲しい。
  (※「感性」10ヶ条について
(4)「感性」と共に今後の大学の教育の根幹となるのが「歴史」授業です。「歴史」の授業のための議論と準備を行って
    欲しい。「感性」と「歴史」の授業は、学生が大学で学ぶ中で重要な人間力の開発に関わってきます。
 
 特に、(4)の「歴史」とは何かを解説しておきます。福岡県立女子専門学校を含めた福岡女子大学の歴史、日本や世界での教育史等は大学構成員が常識として知っておくべき内容です。社会では非常識なことが多く氾濫しています。高等教育組織の中にいる私達がもっと人間らしさ(人間力、倫理力、判断力等)を養っていくべきではないでしょうか。
 2014年度以来、福岡女子大学の理事長?学長としての年頭の挨拶、開学記念式典時の解説も含めて、その年に努力すべき言葉を皆さんに伝えてきました。ここでもう一度、記載しておきますのでじっくり考えて、今後の皆さんの行動に反映させてください。
(1)2014年度 質の高い教育?研究を目指して-(5+1)S運動の実行
(2)2015年度 「+α」の大学を目指して-学生に役立つ教育を構築しよう
(3)2016年度 今のままで良いはずは無い-もっと良い教育?研究環境を構築しよう
(4)2017年度 社会は常に変化している-意識と改革を自らの手で実行し、教育で一流の大学になろう
(5)2018年度  さて、皆さんの今年の目標は何でしょうか?
 
 「教育で一流の大学となる」という大学の目標を、大学の構成員である皆さんは今一度じっくりと自分で考え、各自が目標に向かって頑張ってください。
 
 福岡女子大学の広報の内容や大学の現状は、私達が思っているほど社会に伝わっていません。教職員?学生は2023年の100周年を見据えて、将来構想というベクトルを揃えて福岡女子大学の「教育力?研究力」を社会に理解していただくよう、構成員は一層の努力をして下さい。社会の方々に、福岡女子大学を理解して頂くことが大学の発展に不可欠です。2023年の100周年を越えて、福岡女子大学が教育?研究、社会?国際活動、大学運営?経営で更なる高みの大学へとなるよう、構成員の努力をお願いして年頭の挨拶とさせていただきます。
 
 
2018年(平成30年)  元旦
公立大学法人福岡女子大学
理事長?学長 梶山千里